痔瘻(あな痔)

どうして痔瘻ができるの?

肛門陰窩から細菌が侵入して肛門腺に感染が起きると膿がたまり肛門周囲膿瘍になります。それが自壊(自然に破れる)もしくは切開により膿が排出されると、その多くは繊維化してトンネルを作ります(瘻管)。それを痔瘻といいます。

どんな症状?

最初の症状としては、突然起こる痛み、皮膚が赤くなる、腫れることです。深いものでは、赤みや腫れがないのに、肛門の奥が痛くなり発熱を認めます。
膿が出ると痛みは軽くなりますが、繰り返したり、膿がずっと出ることもあります。

痔瘻の種類

日本では隅越分類が広く使用されています。

 I型: 浅いところに存在している
 II型:内外肛門括約筋の間
 III型 :肛門挙筋まで広がっているもの
 IV型 :肛門挙筋を超えて広がっているもの(お腹の中の近くまで)

痔瘻の治療方法

肛門周囲膿瘍は、基本的には外来で局所麻酔(大きい場合には入院して脊椎麻酔(下半身麻酔)をかけます)下で皮膚を切開し膿を出すようにします。
痔瘻は自然に治ることが稀ですので、基本的に手術が必要になります。背中側の痔瘻に対しては、瘻管を切り開く切開開放術(レイオープン)を行い、前側の痔瘻に対しては、ゴム紐を通して少しずつ縛って時間をかけて瘻管を開放するシートン法を行っています。

手術が必要になったら?

手術は基本的にはうつぶせに寝た体位で、脊椎麻酔(下半身麻酔)で行います。術後の痛みに対しても積極的に鎮痛剤を飲んでいただき、注射・点滴でも対応しています。一般的に痔瘻の手術の場合、入院期間は3~5日、費用は概算で約9万円(3割負担)です。